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森の太陽光線

安産・子授けのご利益・大母神の所縁の地「比婆山」の里 母里郷

(島根県安来市伯太町)

比婆山・原始信仰の名残り

神社の原型

神社とは御魂鎮めと神の住まう神聖な領域のようなイメージをお持ちの方が多いと思われますが、そのイメージとは少々かけ離れたものを神社で見た事はありませんか?島根県松江市にある「八重垣神社」は、素盞鳴尊と稲田姫命の夫婦神を主祭神とした縁結びなどのご利益がある神社ですが、人気を博したドラマ「砂時計」の舞台として登場し、ストーリー中に登場した鏡の池(縁結び占いの池)が話題となった事で一躍人気の観光スポットになりました。占い用紙に賽銭を乗せて池に沈めた際に、早く沈めば縁が近く、その反対に遅く沈めば縁が遠い。また、近くに沈めば近くの人と、遠くに沈めば遠方の人と結ばれるといった、女性なら一度はやってみたい恋占いの人気スポットです。

八重垣神社

八重垣神社はとても美しい神社です。 主なご利益は、「縁結び」「夫婦和合」「授児」「安産」。主祭神は素盞嗚尊と櫛稲田姫 

女性グループやカップルに囲まれ賑わう恋占いの池。そんなロマンチックな光景とは少々似つかわしくないものが、池に向かう途中に存在します。思わず目をそらしてしまう女性も多いかもしれませんが、巨大な男根が祀られているのです。

八重垣神社・原始信仰

社の前に2本の柱とそれを結ぶ注連縄があります。これは「注連柱」(しめばしら)といって鳥居の原型とも言われています。因みに注連縄の語源は「尻久米縄」(しりくめなわ)と言われ、二頭の蛇(神)が絡み合い交尾した姿で生命の誕生や生産を表すものと言い伝えられています。蛇が生死を司る神の化身である事から、この注連柱の先は生命の生産と循環を司る聖なる領域である事を示しており、母神の胎内への入り口、つまりあの世への入り口という事で、鳥居は母神の股にあたります。鳥居をくぐって母神の胎内に向かうためには産道を遡ります。参道とは産道の事です。
古代の信仰の中では、亡くなった人の魂は生まれたところに帰り、再びこの世に生を受けるという生命の循環を信じていました。その循環を司るのが全ての生命を胎内に抱く地母神であり、魂はその御神体である山へ向かいます。魂は参道(産道)を遡り、山頂にある母神の子宮へ辿り着きます。再生された魂は再び女性の胎内に宿りこの世に誕生するため、女性もまた古代では山の神と言われ、神格化に近い扱いを受けていました。男性はどちらかというと捧げる側でありましたが、男性器もまた蛇の頭に形が似ている事もあり、それを模った石棒や連想させる樹木も男神として信仰の対象とされていました。一部地域には、成人になると山に向かって男性器を捧げる風習が今でもあるようです。山に男根を捧げるのは子授けだけでなく、豊穣を願う意味もあります。神社に今となっては似つかわしくないと思われる男根の御神体が祀られているのは、実は先人たちの必死なまでの生き残りをかけた願いの名残りなのです。
御神体とされる山は日本各地にあります。その山々の中でも「比婆山」は母神に最も近い場所として信仰を集めてきました。国生みの母イザナミノミコトも眠る聖地ですので、ぜひ一度足を運び、母神の胎内へ参って新しい自分に生まれ変わる黄泉がえり(よみがえり)体験をしてみてはいかがでしょうか?

比婆山・山頂への参道

比婆山の横屋参道は人が1人が通れる狭く長い産道です。母神の胎内へ入っていくような不思議な感覚にみまわれます。

参考文献・研究資料

1. 峠之内玄武岩の固結溶岩湖に関する研究

論文名
A solidified lava lake in an explosion crater within granitic basement, SW Japan

著者
Yoshihiro Sawada, Koji Uno, Tetsuya Sakai, Hironobu Hyodo

 

掲載誌
Bulletin of Volcanology
Vol. 85, Article 26

発表年
2023年

DOI
https://doi.org/10.1007/s00445-023-01634-3

研究概要

島根県安来市伯太町の峠之内玄武岩について、花崗岩基盤中に形成された爆裂火口を溶岩が満たし、そのまま固結した「固結溶岩湖」であることを地質学的に検討した研究です。溶岩湖は上部でおよそ340m×550mの規模を持ち、170m以上の深さに達すると推定されています。柱状節理の形態や方向、周辺岩石への熱的影響、古地磁気データなどから、溶岩湖の形成過程と冷却史が詳しく解析されています。

2. 伯太玄武岩の高ストロンチウム含有とマグマ成因に関する研究

論文名
Origin of Pleistocene Sr-rich Hakuta basalts, Shimane Prefecture, SW Japan

著者
Yoshihiro Sawada, Tetsuya Sakuyama, Tatsuki Tsujimori, Hirotsugu Nishido, Katsuyuki Yamashita, Syuhei Ohgo, Osamu Okano, Xiaoyu Zhang, Barry Roser

掲載誌
Lithos
Volumes 536–537, Article 108564

発表年
2026年

DOI
https://doi.org/10.1016/j.lithos.2026.108564

研究概要

安来市伯太町に分布する伯太玄武岩について、岩石学・鉱物化学・微量元素・Sr-Nd同位体・炭素同位体などを用いて、その特異なマグマの起源を研究した論文です。伯太玄武岩はストロンチウム(Sr)濃度が約1,700〜4,100 µg/gと非常に高いことが確認されており、一般的な火山フロント玄武岩とは異なる特徴を示します。研究では、沈み込むフィリピン海プレート由来の流体とマントルとの相互作用が、Srに富む玄武岩マグマの形成に深く関係している可能性が示されています。なお、本研究では伯太玄武岩を、峠之内玄武岩・比婆山玄武岩・上の台玄武岩などに区分して研究しています。

​雲伯堺
比婆山

大母神の坐所

本サイトでは、これらの学術研究によって確認された地質学的事実と、比婆山に伝わる古事記・信仰・地域伝承を区別しながら紹介しています。地質学的な年代、岩石の組成、柱状節理、古地磁気、ストロンチウム濃度などについては、上記の査読論文を主要な学術的根拠としています。一方、比婆山と伊邪那美命との関係や古代からの信仰については、『古事記』をはじめとする文献資料および地域に伝わる伝承に基づいて紹介しています。

​サイト運営者情報

比婆山観光案内所(上の台緑の村)〒692-0215 島根県安来市伯太町赤屋 上の台緑の村    お問合せ:0854-38-0022 

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